5月23日に飯塚市議会臨時会最終日に川上直喜市議(日本共産党)が行った、賦課限度額を引き上げる国民健康保険条例の一部改正に対する反対討論を紹介します。
私は、ただいまの協働環境委員長報告にありました議案第72号、専決処分の承認(飯塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例)に反対の立場から討論を行います。
🔷均等割の廃止こそ
今回改正は、3月29日公布の地方税法施行令の改正に伴うものとの説明です。改正ポイントの1つは、均等割と平等割の減額の対象範囲を拡大するとして、対象世帯の軽減判定所得の算定における被保険者数に乗じる金額を引き上げることです。対象の拡大は、5割軽減分で46世帯、2割軽減分で41世帯の見込みです。軽減効果は288万5080円程度ですが、あえて言えば、小さな一歩前進といえなくもありません。
ここで指摘しなければならないのは、所得がないか低い7割軽減対象について軽減措置の拡大がまともに考慮されていないことです。全国知事会は5年前、国に対して国民健康保険税の軽減のために均等割を廃止し、地方へ1兆円の財政支援をおこなうことを要望しました。これが行われれば、飯塚市への配分は10億円程度になると想定されますが、この財源があれば本市の高すぎる国民健康保険税は半額くらいにまで引き下げることができます。
🔷国民健康保険税引き上げ圧力
こうした地方の要望を安倍政権は無視したまま、国民健康保険行政の都道府県単位の広域化のなかで、標準保険料率を市町村に押し付けようとしています。飯塚市の現状と標準保険料率を対比すれば、医療分の均等割は21000円に対して26047円、平等割は23000に対して28237円、後期高齢者支援金等分の均等割は8100円に対して8827円、平等割は8800円に対して9569円、介護納付金分の均等割は9100円に対して10251円、平等割は6700円に対して7513円、医療分の所得割は6.8%に対して7.35%です。
🔷限度額引き上げの対象も暮らしの余裕はない
もう一つの改正ポイントは、賦課限度額を医療保険分において58万円から61万円に引き上げることです。これによって基礎課税額分で限度額をこえる世帯は110世帯へ15世帯減少しますが、税収は351万8143円増えることになります。本市では、この層においても必ずしも暮らしの余裕があるわけではありません。
🔷まず国が責任を果たせ
そもそも、今回の地方税法施行令の改正は、昨年12月14日付け策定の2019年度税制改正大綱によるもので、国民健康保険税において「負担の公平性を図るため」とされたことによるものですが、自民党公明党の安倍政権が「負担の公平性を図るため」というのであれば、まず、全国知事会が要望した均等割の廃止、地方への1兆円の財政支援こそ、いのいちばんに行うべきです。
最後に私は、片峯市長が、国のいいなりになった冷たい国保行政を改めて、市条例による減免制度を拡充を図りつつ、全国知事会が要望した法改正と財政支援を国に強く要望するとともに、一般会計からの繰り入れを大幅に増やし、高すぎる国民健康保険税を来年度から大幅に引き下げよう、強く求めて討論を終わります。