飯塚市議会6月定例会は15日開会し、3月定例会から継続審査となっていた玄海原発再稼働の延期を求める決議に関する請願は、賛成少数で不採択となりました。反対討論はなく、川上直喜議員が賛成討論に立ち、16日の再稼働が伝えられる4号機について延期を求める緊急決議をあげることを呼びかけました。討論内容を紹介します。
▼日本共産党の川上直喜です。私は、ただいまの総務委員長報告にありました、請願第14号、玄海原発再稼働の延期を求める決議に関する請願について、賛成の立場から討論を行います。
▼この請願は2月16日の提出であり、玄海原発について九州電力が、すでに電気は足りているのに、当初、3号機を3月、4号機を5月に再稼働するとしたことについて、第1に阿蘇山の破局的噴火による重大な影響があること、第2に重大事故が発生した場合に本市の放射能汚染の危険が明らかであること、第3に原子力損害賠償法の措置額が実効性あるものに改正されていないこと、第4に九州電力が昨年12月に設置申請を出した特定重大等対処施設が完成に至っていないこと、4つの視点から深刻な危険性を指摘し、市議会が再稼働の延期を求める決議を行うことを求めるものです。
▼3月定例会では、3月8日の総務委員会で採択に至らず、継続審査、3月20日の最終日の本会議でも、継続審査となりました。日本共産党は、原子力依存からの脱却を求める意見書を全会一致で採択した飯塚市議会の立場にたって、この請願を全会一致で採択することを呼びかけました。
▼3号機は、3月23日、再稼働され、7日後の30日に、脱気器、空気抜き機に係る配管から蒸気漏れがあったという、重大事故が明らかになりました。再稼働の前に腐食によって生じたという1センチの穴を発見できなかったものです。九州電力は、発電と送電は止めましたが、ただちに原子炉の運転を止め、原因究明にあたる態度は取りませんでした。
▼4月3日、および、4月18日、この事故について九州電力が本市に資料を持参して説明をしました。防災安全課長が対応し総務部長に報告しました。
▼4月20日、請願の継続審査が行われた総務委員会で、九州電力から説明があったことを片峯市長、梶原副市長が、その瞬間まで17日間も、まったく知らなかったことが明らかになりました。
▼この総務委員会で、日本共産党は、本市の原子力災害に対する認識を指摘し、九州電力の責任あるしかるべき立場の方、玄海原発再稼働は待ってくれと頑張っている住民運動団体の学識経験者を参考人に招いて審査を継続することを提案しましたが受け入れられず、採決に当たっては、請願に対する賛成討論で、全会一致での採択を呼びかけましたが、請願は不採択とされました。
▼その後4号機は、4月24日には燃料装填、5月25日前後には再稼働の予定とされ、準備が進みました。
▼5月3日、九州電力は、この4号機で放射性物質を含む水を循環させるポンプ4台のうちの2台で異常があり、分解点検すると発表しました。
▼5月18日、午前9時半、九州電力は飯塚営業所の営業グループ長が、5月3日の報道発表資料を市防災安全課に持参し説明をしました。これを報告する供覧文書の市長までの決裁は、7日かかりました。
▼こうしたなか、6月8日、九州電力は、明日になりましたが、6月16日にも再稼働すると発表しました。
▼この短い期間の経過の中でも、この請願が指摘する、①阿蘇山の破局的噴火、②原子力災害発生時の本市の放射能汚染、③原子力損害賠償法の措置額の実効性の問題、特定重大等対処施設が未完成の問題の4つの視点とかかわる、玄海原発3号機と4号機の技術的な危険性、九州電力と本市の原子力災害発生時の緊急対応体制に重大な課題があることが、くっきり浮き彫りになりました。2月16日の段階で、玄海原発3号機、4号機の再稼働の延期を求める決議を上げてほしいという請願が提出されたのは、正確な判断だったと考えます。
▼すでに再稼働している川内原発1号機、2号機、玄海原発3号機に続いて、4号機の再稼働をこのまま見過ごすことはできません。飯塚市議会、議員各位が、請願の趣旨をしっかり受け止め、全員一致で採択したうえで、玄海原発4号機の再稼働の延期を求める決議を緊急に採択することを呼びかけて、私の討論を終わります。