飯塚市弓道場の単体整備の可能性を請願審査で訴え⋯川上直喜市議

飯塚市弓道連盟が飯塚市議会に提出した「飯塚市弓道場に関する請願」について、日本共産党の川上直喜議員は12月7日、12月定例会初日の本会議の討論で会期中に十分な審査を行い全会一致で採択することを訴えました。Youtubeの35:00からhttps://youtu.be/J4EZYyXsD1I


川上議員は、「現状以上のスケールとともに、静謐な雰囲気の中で弓道を行うためには、単体独立の構造物としての整備の優位性は明らかではないか」と問いかけ、「整備にかかる費用は、新体育館への集約対象から外すことによってまかなえる可能性も見えてきている」と請願採択の条件が整ってきていることを紹介しました。(原稿全文は別掲)

日本共産党の川上直喜です。私は、ただいまの経済・体育施設に関する調査特別委員長の報告にありました、請願第15号、飯塚市弓道場に関する請願の継続審議に同意し、このさい、いくつかの点について意見を述べて討論とします。

◉飯塚市弓道連盟の請願の要旨と理由を再確認

この請願は飯塚市弓道連盟が5月9日付けで提出したもので、その要旨は2点あり、第1は、「弓道場建替えにあたり、既存の規模より縮減することなく、現弓道場と同等若しくはそれ以上の拡充を図っていただきたい」、第2は、「日本の伝統的武道としての弓道文化を尊重し、静謐・清澄な雰囲気の中でこれを行うにふさわしいたたずまいをもつ道場を設置されたい」ということです。

理由としては2点、第1は、「現在の弓道場は46年前に福岡県民体育大会を飯塚市が主催地として開催するにあたり、昭和47年9月の大会実施に合わせるため、同年7月着工9月完工で、旧オートレス場食堂の建築鉄骨材等を利用して急遽建築されたもので、その後本格的な道場の設置が予定されていたがそのまま現在に至っています。その後の他の周辺自治体で設置された弓道場は、規模・設備等様々な点も飯塚市よりも優れた道場が建築されているのが現状であり、筑豊の中心都市として、地元弓道の発展の拠点としてその役割を担うことのできる弓道場をぜひともこれを機に設置されることを望むものです」、第2は、「日本の伝統文化としての側面を有する武道でもある弓道を行うにあたり、これにふさわしい建物の造りや周囲の植栽を伴うたたずまいを有する道場の設置を望みます。弓道場はたんに弓道射技の実施にとどまらず、その静謐な雰囲気に身を置くことができるのが弓道の特質でもあります。これを踏まえて単体独立構造を含む弓道場設置を望むものです」とされています。

◉請願審査を3つの視点で進めた到達を共有する

今回請願の審査については、私は6月27日の特別委員会において3つの視点が大切だとして、1点目に、市は弓道連盟とていねいに協議を行うべきではないか、2点目に、9人立ち以上のスケールと静謐な雰囲気が新体育館構想の中で実現できるのか、3点目として、新体育館併設というばかりでなく、単体独立の構造物としての整備ができない理由があるかをあげました。

1点目、ていねいな協議については、6月27日の特別委員会での質疑を経て、市は新体育館への集約と床面積の一律な削減の一方的な押し付けのやり方ではなく、調整協議を行う方向へ向かう姿勢を示しました。

2点目の9人立ち以上のスケールと静謐な雰囲気が新体育館構想の中で実現できるのか、という点については、11月6日の特別委員会までに数回の協議が行われ、まだ検討中であり決定したわけではないが、弓道場を2階に設置すると弓道場の矢道はメインアリーナ  とサブアリーナの壁に挟まれるという状況とのことです。現在の弓道場の開放感、静謐さと比較すれば息苦しい、閉じ込められたという感じになるのは避けられないのではないでしょうか。

3点目の単体独立の構造物としての整備ができない理由があるかという点について、6月27日の特別委員会で質問し市担当課長から「現在も単体の可能性を排除しているわけではない」との答弁を得ました。

8月9日の特別委員会では、弓道場が新体育館への集約対象からはずれても、適正管理推進事業債の対象となることには変わりがないことを質問し明らかにしました。さらに、弓道場が新体育館への集約対象からはずれることから生じる財源を、単体独立の構造物としての整備に当てることができるとの考えから、市が試算を行い公表するように求めて、市担当課長は試算を約束しました。

11月6日の特別委員会では、新体育館建設費のうち弓道場にかかる費用は、一般財源で約1億4296万円との試算の報告が、市担当課からありました。これが、おおむね、弓道場をはずした場合に浮かせられる費用と見ることができます。弓道場を単体独立の構造物として整備した場合に必要な費用を一般財源で見ると、耐震補強を含む大規模改修だと約2億1434万円、新築だと約4億1945万円との報告がありましたが、矢道にかかる広いスペースを試算対象からはずせば「その分は安くなる」として、次回までに新たな試算を提出するとしました。

私は先日、飯塚市弓道連盟が主催して行われた飯塚市長杯争奪戦 を観戦させていただき、弓道の素晴らしさを改めて実感させられました。そこで見聞きした施設の現状は、たとえば、高校生や個人の競技者が着替えたり待機をしたりする場所が足りないのを、狭い広場に敷物を広げてテントを建ててカバーしています。雨が降っると大変です。水はけも改善が必要です。新体育館から弓道場を外して削減できる財源も生かしてきちんとした耐震補強を含めた大規模改修、さらに、新築を視野に入れることもできるのではないかと思うわけです。

◉単体独立構造物として設置する費用は確保可能

6月定例会に提出された今回請願ですが、弓道場の新体育館への集約と縮小を打ち出し、一方的にことを進めるかに見えた市が、請願審査の過程で、弓道連盟との協議を断続的に行う立場に変わったこと、矢を射るスペースを9人立ちという点で努力し、静謐な雰囲気の維持についても尊重する姿勢を示し始めたことは、スポーツの振興をめざす本市の方針に照らして重要です。

さらに、現状以上のスケールとともに、静謐な雰囲気の中で弓道を行うためには、単体独立の構造物としての整備の優位性は明らかではないでしょうか。整備にかかる費用は、新体育館への集約対象から外すことによってまかなえる可能性も見えてきています。

最後に、私は、12月定例会の会期中に経済体育施設調査特別委員会を開催し、さらに十分な審査を行い、12月定例会において、全会一致で採択することを訴えて討論を終わります。

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