「麻生グループ首脳に社会的責任果たせ」の討論を紹介⋯契約違反の市有地無償貸付で

麻生グループ会社への市有土地無償貸付に関する議決議案に対する、日本共産党の川上直喜議員の反対討論(2017年12月22日)を紹介します。
見出しはつけました。
動画は35:28頃からです。(クリックするとそのまま開始します。)

 

 

◉議会議決による無償貸付の例は麻生グループに対するものだけ

財産の無償貸付け(療育関連通所施設敷)は、頴田病院に隣接する市有地の貸借契約 による貸付期間終了を、来年3月31日に迎える株式会社療育振興プロジェクト、川越 浩代 表取締役に対して、貸付期間終了後は買収しなければならないとする契約第5条にもかかわら ず、本市が無償貸し付けを5年延長するものであります。7年前の平成22年10月1日付の、この無償貸付契約は、相手側が株式会社であり、国や地方公共団体ないし公共団体でないことから、本市の財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関し必要な事項を定めた「飯塚市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」に該当せず、地方自治法第96条第6項の規定により議会の議決に基づいたものであります。本市の発足から12年ですが、この規定に基づいて市有地の無償貸し付けの議会議決を行った例はほかにありません。

 

◉(株)麻生と同一所在地の会社代表取締役と麻生飯塚病院経営管理部長

株式会社療育振興プロジェクトは、私が議案質疑の際に尋ねたように、本店所在地を(株) 麻生と同一の柏の森748の3に、資本金6500万円で、平成22年5月に発足しています。 代表取締役の川越 浩さんの名前は、福岡県知事登録貸金業者名簿に登載された、西日本メディカルビルディング株式会社の代表取締役にもあり、この会社の所在地も(株)麻生と同一であります。また、この川越 浩さんの名前は、福岡市早良区百道浜2丁目4の27、AIビル 8階にある日本ハートサポートネットワーク株式会社の代表取締役にもあります。また、取締役の坂根 隆さんの名前は、福岡県知事登録貸金業者名簿に登載されている、南日本メディカ ルビルディング株式会社の代表取締役にもありますが、この会社の所在地も(株)麻生と同一であります。さらに、市有地の無償貸付契約締結時の代表取締役で現在、取締役の池 賢二郎さんは、株式会社麻生飯塚病院の経営管理部長であります。

 

◉九州経団連会長を3期務める麻生泰氏が代表取締役の(株)麻生を背景に

契約の第5条で買収しなければな らないとなっている土地の価格は、隣接する頴田病院の敷地の価格と面積を考慮すれば1千万円程度、市の選択肢として有償貸し付けがあるとした場合は、貸付料は月1万5千円程度と考えられます。これに対し、この土地を買収するに必要な十分な現金を、この株式会社が持っていることは、福祉文教委員会でも確認されているのであります。九州経済団体連合会の会長を3期も務める麻生泰さんが代表取締役会長の(株)麻生を背景にした資本金6500 万円の株式会社が、市との契約を反故にして飯塚市民の財産の無償貸し付けの5年延長を要求するなどは横暴にもほどがあり、あまりにみみっちい話であります。

 

◉地域に生きる大企業の社会的責任を麻生グループ首脳に申し入れよ

市は本来、相手方との協議の過程で契約第11条に基づいて契約解除を通告し、ただちに価 格を提示して買収を要求するとともに、通告後の占有期間に応じた賠償を求めるべきところで あります。2月の市長選挙で麻生太郎事務所の支援を受けて市長選挙を戦った片峯市長が、市政運営の基本と公言した「背私向公」が、私心を捨て、市民のために市政運営に当たるという意味が真実ならば、市議会の議決を踏まえた契約第5条、つまり土地を買収する義務を果たさせる ために、地域に生きる大企業として社会的責任を果たすよう麻生グループ首脳部に申し入れてしかるべきであります。

 

◉麻生グループの会社が療育サービスをしているわけではない

この施設に入居するNPOが行っている療育サービスは、地域の皆さんの切実な願いの上に実現したもので、さらなる充実を図っていく必要があります。今回議案は、NPOから家賃を受け取るなど施設の管理をしているだけで、療育サービスをしているわけではない株式会社に、敷地の無償貸し付けを延長するかどうかであり、しかも、この会社が倒産するような話ではないのであります。

 

◉子どもを人質に取るような市長と副市長の発言

それがわかっていながら、私の本会議における議案質疑の中で、梶原善充副市長が「家賃収入、賃貸収入しかないということで、そういうことならば赤字経営になる。そういうことになると、当然将来にわたって、ここが運営していただけるかどうかわかりませんので、そういうことから推察をした」、続いて片峯市長が、「今回、議案の102号のように、病院敷地については約束どおりの売却ということで話がつきましたので、現在、経営について非常に難しい本施設については、地域の公共性や福祉性を考えた」と答弁したことは、この株式会社のわがままを押し通す意を受けた市長と副市長が、子どもを人質に取るような発言をしたと言わ れても仕方がありません。

◉このような議案が通れば公正な市政運営がおおもとから崩れる

今回議案は、市長と副市長がこのように子どもの療育サービスを人 質にした、この株式会社のわがままな無償貸与の延長要求に押し切られ、やみくもに提出した もので、このような議案が通れば、公正な市政運営が大もとから崩れます。この際、私は飯塚 市議会がほかのテーマでの立場の違いを越えて、この株式会社に契約履行を迫る決意を持って、今回議案を否決するように呼びかけるものであります。以上で、私の討論を終わります。

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