保育士修学資金貸付条例が否決に……日本共産党は可決を訴えて討論

若い世代を支援すること、保育士の確保をめざすこと

私は、日本共産党市議団を代表し、ただいまの福祉文教委員長報告にありました、議案第49号、飯塚市保育士修学資金貸付金条例案に、賛成の立場から討論を行います。
制度の目的は、2つあり、第1は、大学等の保育士養成施設で保育士をめざして修学中の学生を支援するものです。卒業後、市内の認可された保育所、保育園、認定子ども園等において、常勤保育士として、5年間働くことを条件に、正規の修学期間に限り、月額2万円を無利子で貸し付けます。第2は、市内保育所等への就職を誘導し、保育士を確保するものです。卒業後、1年以内に貸し付け条件の保育施設に、常勤保育士として就職した場合は返還猶予、5年以上働けば返還免除になります。紆余曲折はありましたが、福岡県の同主旨の貸付金月5万円とあわせて利用できる制度であり、その場合は、月7万円の貸し付けが受けられます。若い世代を支援すること、保育士の確保をめざすこと、この2つが目的です。執行部のやる気が不足しているのではないか、制度そのものに充実すべき課題があるのではないか、その議論がありましたが、今回の修学資金貸付制度は、若い世代にとって、かりに積極面が不足することがあっても、けっして後ろ向きではないと思うのです。

若い人たちを悲しませないでほしい

市が7月中からでも募集を始めたいといっている矢先に、これを市議会が否決して、本当にいいのでしょうか。21日の福祉文教委員会での否決に続いて、27日の予算特別委員会は、法的拘束力がないとわかっているのに、この修学資金貸付条例案を否決し、事実上、その予算も9月議会で取り崩させるという意思のこもった附帯決議を、賛成多数で採択しました。いったい市議会は、誰のためにあるのか、誰を代表しているのか、保育士をめざすか否かに関わりなく、若い世代の連帯した怒りの声が聞こえてくるようです。私たちにも、若い時代があり、将来の夢、職業選択に胸を膨らませ、迷い、悩んだことはなかったでしょうか。夢があり、ファイトがあっても、経済的な制約の前に肩を落とし、涙をのんだことはなかったでしょうか。胸を膨らませて未来に羽ばたこうとする若い人たちを悲しませないでほしいのです。

貸付の予算はわずか1260万円

この制度による貸付の予算は、わずかに1260万円です。市議会議員がかつていったん廃止してすぐ復活した政務活動費補助金1344万円、この夏にも議員に貸し付けられるタブレット等の予算は私の試算3か年で1500万円と比べてどうでしょうか。本市が行政目的も定めないまま購入する、あるいは、売るために購入するパークタウン潤野公園敷購入費用3457万円余と比べてどうでしょうか。株式会社嘉飯山砂利建設に対し不法占拠地の明渡しを要求し訴訟を提起したが、請求を議会に相談なく勝手に変更して放置することを認めたコンクリート構造物を、市が撤去すれば必要になる1300万円、この額と比べてどうでしょうか。

大幅に改善した市財政力を生かし公立保育所の新規開設を

保育所入所待機児の解消の緊急対策には、間にあわないとの議論がありますが、それをいうのであれば、ぜひ公立保育所の新規開設への市長の決断を一緒に求めてほしいのです。市財政の体力は、連続黒字が続き、また、第2次総合計画の市財政見通しによっても、財政調整基金と減債基金が130億円に上るなど、大幅に改善しているのはすでにご存じのとおりです。

保育士の処遇改善へ思い切った財政出動を

現在、現場で厳しい労働環境のもとでも頑張っている保育士の処遇改善には、子どもたちも苦しみ、保育士の労働強化につながる、定員を大幅に超えた詰め込みはやめ、公立保育所の開設と充実、国と県に大きな責任を求めた民間保育所へ助成の強化など、市長選挙での公約に従った、片峯市長の決断による思い切った財政出動こそ必要です。
もともと、今回修学資金貸付条例案を否決する合理的な理由はまったくなく、若い人たちの夢をつなぐために、今回条例案をぜひとも可決していただきたいことを最後に申し上げて、私の討論を終わります。

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