●福祉の増進の立場に逆行した当初予算
私は、議案第46号、平成29年度飯塚市一般会計補正予算案に、反対の立場から討論を行います。前市長、前副市長の賭けマージャン事件の発覚に端を発した、清潔で透明な市政を求める市民世論の高まりの中、1月11日前市長辞職、前副市長辞職を受けて、2月19日告示、26日投票で市長選挙があったことから、3月定例会に提出された当初予算は骨格予算とされました。これには、前市政の不透明感のつきまとうムダづかいが多く入り込むいっぽう、連続して計上されてきて市民の要望の強い住宅リフォーム助成が、骨格予算であることを口実に機械的に計上されないなど、第2次総合計画で明記するに至った「地方自治の本旨として福祉の増進を図る立場」に逆行するところに特徴があり、わが党はこれら点を指摘したうえで反対しました。
●資産公開制度の対象を三役、市議へ広げてより厳しいものに
合併から12年、賭けマージャン事件を受けて現在、市民が市政に求めるものは、住民の暮らしを応援する市政、ムダづかいを許さない市政、清潔で透明な市政を住民が主役で進めることです。こうして、清潔で透明な市政運営による市民の信用回復が求められるなか、6月定例会が今月9日開会となり、片峯誠市長は出遅れたとはいえ20日、資産公開制度の対象に自身が任命責任を持つ3役を加えるという一歩前進の追加提案をし、総務委員会が22日、議員にまで広げる修正を可決したことは、より厳しい資産公開制度をつくる共同を広げるうえで非常に重要です。
●なれあい調査は許されない
その3役の1人である梶原善充副市長が、自らの選任に関する同意議案の審査の折に片峯市長に対し事実上の警告があったにもかかわらず、4月14日の金曜日から翌15日の土曜日、奈良、京都の一泊旅行を計画し、副市長就任後も中止せず、かねてから親しい会社代表取締役、現職市議会議員、特別職の上司に届け出をして平日休暇を取ったと思われる現職の部長職員、元職員、元重要幹部職員と思われる再任用職員、この6人、政官業、政治家と行政、業者が一緒に出かけたという重大事案が発覚しました。
23日予算特別委員会の初日に紆余曲折ののちに中間報告が提出されましたが、片峯誠市長が指示した調査は、意思決定の文書もなく、人事権のルールに則ってもおらず、職員が上司を調査し、尋問した内容、証言した内容も記録がないというに及んでは、加計学園に関する「ご意向」文書をめぐる安倍政権のレベルに落ちたものと言われても仕方がなく、言語道断であり、まさに、なれあい調査と呼ぶ他はありません。市長は任命責任と監督責任を、自ら3月議会で述べたとおり、進退をかけて、責任を果たすべきであり、現職部長の上司である特別職は今回は自らは参加していなくとも、部下の部長が平日の休暇を取ったことから事前に知っていた可能性があり、任命責任、監督責任が厳しく問われるところです。
●小中学校エアコン整備方式と浄水場運転管理業者の選択
市長が、かりにも「李下に冠を正さず」というくらいのことだとの認識であれば、市政運営を大きくあやまりかねません。今後、片峯市長自身が教育長時代にかかわった、総事業費概算15億4000万円にのぼる小中学校エアコン整備を電気方式とするかガス方式とするかこれから決め、また、企業局が株式会社データベースに5か年で14億3220万円をかけた浄水施設運転管理と上下水道料金収集の業務委託の期限が来年1月14日に迫り、これからの数か月はまさに次の業者を選ぶ時期に入りのであり、今回の政治家、行政、業者が一体となった旅行事案は、なれあい調査では到底すまされず、市長は自身の前市長、前副市長と第4の人物と日曜の午後から2度も3度も、元上下水道事業管理者で元市議会議員の接待で行なった賭けマージャンの事情を明らかにすることと合わせて、今回事案に政治生命をかけて厳正に対処できるか、市民は厳しい視線を浴びせていることを深く自覚すべきです。
●保育所待機児童の解消、コミュニティバスの復活
さて、片峯市長のその手による6月補正は、市財政運営が順調で財政調整基金と減債基金が右肩上がりにふくれあがり、すでに過去最高水準にあるという事情を背景に、市長選挙で大きな争点となった住民の福祉の増進のテーマにそったものが反映されるべきであり、ムダづかいの思い切った減額、保育所待機児童解消のために公立保育所をこの秋からでも新たに開設するなどの緊急対策、とくに高齢者のみなさんが切実に求めている便利なコミュニティバスの復活をはじめ、住民の福祉の増進を図るための思い切った増額が求められていました。
●公園をつくるつもりもなく土地を購入
今回補正予算には、住民要望を受け止めるスピード感に課題があるとはいえ、小中学校にエアコンを設置など子どものための予算計上、やる気不足や制度充実を求める点もありますが、保育士修学資金貸付制度を7月中からでも実施し、若い世代を応援する予算計上など、我が党が住民のみなさんと一緒に求めてきた教育と福祉の充実にそうものがあることは歓迎するものです。パークタウン潤野公園敷購入関連予算3457万7000円は、市がすでに土地開発公社から買い戻したもともとのパークタウン潤野公園敷を、公園にしてほしいという住民の要望があれば聞くというくらいで、実際に公園とする意志もないまま購入し、実際は転売することを第1に考えるにあたって、東側にある筆界未定地を市が調整のうえ購入し、合わせて売却することを検討するためのものです。花咲台など地元のみなさんが、公園として親しんできたところであり、広場は今後も公園として残して当然です。ところが市は、第一義的には、それを売却し、買い手の有利になるように市民の税金を投入しようとし、便宜的に公園敷として購入するもので、予算計上のルールに違反した邪道と言わざるを得ません。特別な政治の力が働かずに、本市がそこまでするのはただ事ではありません。勝盛公園敷購入費37万9000円は、国が昭和14年に裁判所官舎として本市から寄付を受けたが、その後長く未利用状態になっていた土地を今回無償で返還するにあたり、国が擁壁を作るために隣接して別に確保した土地について買収を求めてきたものです。勝盛公園に隣接し交通も便利という優良土地を78年間もただで使ってきて、返還の時には、おまけをつけるから、その分のお金を払えとという国のやり方にいいなりになることは、金額の多寡に関わらず納得できません。公園として使う計画もないままに公園費として計上するのも、予算計上のルールに違反しています。今日はこの程度のとどめ詳しくは、本会議で述べることとします。
以上で、私の討論を終わります。